まさかこんなにいい味がでるなんて―。
愛媛県新居浜市の沖合に浮かぶ、小さな島、大島。
この島で産まれる七福芋は、まさに奇跡の芋です。
必ずしも、土地が肥沃なわけではありません。
しかも段々畑です。
どりらかと言えば、農業に適したとは言えないかもしれません。
ところが、この土地で産まれる七福芋は、
この土地でしか出せない味を持っています。
芋自身の「生きよう」とする生命力が、独特の甘みになるのでしょう。
評判が評判を呼び、やがて、きせ奇跡の芋と呼ばれるようになりました。
野菜はふつう「採れる」と表現します。
どの場所でも、きちんと約束通り種を植えて育てれば、
同じように美味しい野菜ができあがります。
しかし、大島の七福芋は、「産まれてくる」と例えたくなります。
それは、同じ条件で栽培しても、
大島の味は決して再現ができないからです。
奇跡の芋、まぼろしの芋、七福芋、白いも、呼び方は色々ですが、
共通しているのは、ただただひとつ。
「ああ〜、あまい!」
七福芋は愛らしいひょうたん型をしています。
作付面積に限界があるので、
どれだけ人気になっても、出荷できる量は一定。
だから、まぼろし。
島から眺める瀬戸内の海。
大島の人口は、約200人です。
以前はたばこの葉栽培が中心でした。
今は、誰が呼んだか、芋の島。
ただでさえ希少な七福芋を、焼酎に。
あんぶんは、なんとも贅沢な逸品です。
醸造をお任せするのは、
地元愛媛の「桜うづまき酒造」さん。
創業100年を超える、由緒ある蔵元です。